地下室のゆとり記

ホットケーキは世界遺産

マルコムX

マルコムXマルコムX
(2006/11/02)
デンゼル・ワシントン

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ただの伝記映画にあらず。
これは触れて、気付き、改心する男の物語である。

この世は偏見に満ちていて、それがいとも簡単にまかり通っている。
だが日本人全員が本音を隠していたり、オタク全員が犯罪願望があったり、韓国人全員が反日であったり、アメリカ人全員が戦争を支持していたり、宗教者全員が勧誘に犯罪まがいな事をしたりと、全員が全員そんな訳ではない。世界はそんな簡単じゃない。
そう言われる傾向は存在するかもしれないが、全員がそうではない。実際触れてみないとわからない。
人間である限り、誰もが偏見を持つ。
重要なのは、実際触れ、己の偏見に気付き、悔やみ、何をするかだ。

映画としては、マルコムXはキング牧師に並んで有名な黒人運動家なので、教養として視聴は損ではないかと。
しかし3時間20分と長い。(実際、入信するまでが長過ぎる気がする)
好き嫌いは分かれそうだけど、この作品の最終1時間、メッカ巡礼後のデンゼルワシントンよりカッコいい俳優を私は知らない。


以下ネタバレ。
論文のメモ用に感想も。


映画のストーリーというか、マルコムXの生涯について簡単に。

白人の真似をし、マフィアになり、挙句の果て捕まったマルコムは牢の中でイスラム教の教えを受け入信する。
出所後、教祖イライジャの教えを説いて周り、黒人の権利を得る為白人に反抗し、白人を貶す。

この運動でマルコムは名を挙げていくんだけど、
「貴方の演説に感動しました。罪を認めた私のような白人は、何をすればいいですか?」
って言う白人に、マルコムは「何も無い(Nothing.)」って答える訳。
マルコム自身は、自分は反白人主義ではなく、黒人と白人の社会を分離して独立を計りたい、って言ってるんだけど私にはどう見ても反白人主義に見えた。
マルコムはキング牧師などの白人との共生を望む運動家を裏切り者呼ばわりしてたしね。
なんか2chに多い「韓国人は全員反日!滅べ!」とか言ってる人達と被って嫌だった。
(別に親韓反日な訳ではないよ)

んで結局有名になりすぎたマルコムは教祖イライジャとその組織に裏切られて脱退するんだけど、切り替えの為にイスラム本拠地の聖地・メッカに行った訳。
そこで同じ神を信じる白人の人達に触れ、白人全てが悪でない事を知る。
そのシーンの美しさと言ったら無いんだけど、そこは飛ばして。
白人全てが悪でない事を知り、黒人全てが正義でない事を知ったマルコムは独自に運動団体を建設する・・・
ここらへんまでが3時間20分の内の2時間30分くらいかな。

やっぱ実際触れてみないと人はわかんないよねー、って話ね。
これ韓国人とか中国人を全て否定してる人達にも共通するでしょ。
ネット右翼の人達の殆どは韓国人・中国人と話した事ないんじゃないの?
韓国とか若い世代は(竹島とか自分の国のことに関心は深いけど)親日派多いぞ。
日本人にも韓国人にも、中国人にも良い人も悪い人も居るって。
だからと言って韓国の政治や中国の政治を肯定する訳じゃないけどね。
個人的にあの国の政治は(特に中国は)どうかと思うし。
でも国民全体を否定するのは視野が狭過ぎるんじゃないかなとは思う。


(話を戻す)
映画前半はキング牧師の方が全然立派な人物だと思ったけど、
散々挫折を味わって、過ちを犯したマルコムの方が人間らしいと思ってしまった。
人間らしいって言うか自分と被ると言うか…。
散々挫折して、己の過ちに気付かされたのに進む事を止めなかったマルコムって人は凄い。
こういう話好きなんだわ…火の鳥復活編の我王とか、最後は神に近い人間になったけど非情に人間らしくて好きだった。
自分が落ちこぼれでどうしようもないからだろうなぁ。

長くなったけど最後はマルコムのメッカ巡礼後の妻に宛てた手紙でも貼る。
ここ映画では感動するシーンの一つなんで、見る予定がある人は読まない方がいいかも。


ショックだろうが―
食事と飲み物を分かち合ったのは―
ブルーの目をした回教徒の兄弟たちだ
髪はブロンドで肌は雪のように白い
それでも我々は兄弟だ
肌の色は異なっても一つ神を信じてる
ここに来てアメリカの現状がー
より明確に見えてくる
アメリカの黒人が持つ憎しみは当然だ
それは400年の抑圧と差別への反動だ
人種差別はアメリカを滅ぼす
若い世代はその方向に気付き―
魂の道に真実を求め始めるだろう
世界を差別主義の破滅から救う唯一の力だ
刑務所で雷のように私を打った啓示がー
再び訪れた
今まで白人を告白し続けてきた
一部の白人を傷つける不当な告発もあった
聖地メッカへの今回の巡礼旅行で私の魂は幸いにも生まれ変わる事ができた
今後は特定の人種を告発する事はせずー
心して
批難されるべき相手のみを―
相手として闘う
私は人種差別主義者でなくその擁護もしない
私は心からこう言う
私が望むのは自由とー
正義と平等 それだけだ
自由と生きる権利
幸せを追求する権利
私の関心はまず同胞にある
基本的人権を奪われてきた人々だ
アメリカをむしばむ差別主義の癌を―
取り除く薬はイスラムの教えだ
私がこの病気の撲滅に―
多少なりとも力を貸し光となる事ができたら
それは全宇宙の神アラーのおかげだ
過ちは私の責任だ
子供たちに私の愛を
そして君にも
君のエル・ハージ・マリク・エル・ジャバーズ
マルコムX

テーマ:映画 - ジャンル:映画

  1. 2008/07/28(月) 03:01:29|
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